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見た映画

キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー

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アベンジャーズ』でのニューヨークの戦いから2年後を舞台に、キャプテン・アメリカと暗殺者ウィンター・ソルジャーとの死闘を描くアクション大作。70年の眠りから覚め、アベンジャーズの一員として戦ったキャプテン・アメリカが、S.H.I.E.L.D.(シールド)の仲間に突如襲われ、その裏に潜む真実を追う姿を映し出す。

めちゃくちゃ面白かった。MCU単独作品の中ではキャプテンアメリカが1番良い、アメリカの古き良き良心というアイコンである彼は、アメリカ社会ひいては現代社会をそのまま描くだけでその矛盾に衝突し葛藤する訳で、単純に描きやすいんだろうな〜と思う。

前作は地味ながらも正攻法な作りで、戦時下でのヒーロー誕生の物語を描いていて、戦争アクションアドベンチャーとして優れた作品だったが本作は舞台が現代になり、現代風の政治陰謀劇+スパイアクションといった趣きで他のマーベル単体作品と違って若干大人向けな感じ。

本作はキャプテンが音楽、映画などポピュラーカルチャーを人々におすすめしてもらい、それを勉強する事で70年間の空白の記憶を埋め、現代社会に適応しようとする描写から始まっている。

この映画ではその記憶や記録が軸として据えられていて、登場する悪役は前作の敵であったナチスの組織・ヒドラが現代に情報データとして形を変える事で人々の生活を裏から干渉する形で現代まで生き残ってきたことが判明する。

ヒドラの尖兵として立ちはだかるウィンターソルジャー、彼はキャプテンの親友であるが一切の記憶をヒドラから剥奪されている、現代社会に至るまでの空白の記憶を埋める事で必死に良き人間らしくあろうと務めるキャプテンとは対極の存在で、記憶を奪われるという事はその人を非人間的にしてしまう、キャプテンは必死にウィンターソルジャーの記憶を取り戻す事で記憶を共有したいと思っている。

現代まで生き残ったヒドラはその記憶を不特定多数から、無作為に、膨大に集積・記録する事で未来を予測し、事前に将来の脅威となる犯罪者予備軍を排除する事で平和を実現しようとしている。完全に人間性を排した衛宮切嗣みたい。

人間らしくあるためには大事なことを記憶し、共有する必要があるが、その記憶をあまりにも記録しすぎるとそれは個人の自由を侵害する罪にもなる、という事を描いている。

かつてのアメリカの記憶、良き良心、ノスタルジーを体現しながら現代に蘇ったキャプテンは作中でナターシャに童貞であることをイジられたりしている、この辺りも彼がアメリカの理想、ある種のイノセンスさを持ったキャラクターという描写なんだろう。

 

宇多田ヒカル BADモード

今日は電車の沿線沿いで火災が発生し、電車が動いていなかった。近くに違う路線が走っていて、普通にそちらに乗り換えれば全然良かったのだが、自分は怠惰にもこれを理由にする事で遅刻することを選んだ。

いつ動くのか分からない開け放しの電車の中で足を冷やしながら宇多田ヒカルのアルバムに集中する事にした。

歌詞は臆面もなく自分自身を曝け出していて、物凄く私生活的な描写に振り切っている。

それが様々な角度を持ち合わせ、人々に切り込む形で共感を生むのだろうと感じた。

ロエベの財布」の下りなんかは唸らされた。

 

「いくつもの出会いと別れ 振り返って、思う

1人で生きるより永遠に傷つきたい そう思えなきゃ楽しくないじゃん(誰にも言わない)」が最も確信を持った歌詞だと思った。

既存曲だけど、このアルバムが臆面もなく開示した私生活、感情を通して元々良い歌詞だったこの一節がより確かな肉を持ったように思う。 

 

年始から年間ベスト級の作品がぼんぼこ出てくる。意味わかんないな、リーガルリリーも聴かなきゃ。