3/6〜12くらいに見た映画4本

見た映画

スパイダーマン2

ライミ版2作目

悪趣味なゴア表現が多いというか、ホラー演出の一貫として女性の悲鳴と顔アップのカットが随所に散りばめられてるのが古いな〜と若干不快に思った。しまいには奥側からカメラに向かって女性が走ってきて悲鳴をあげるし。でも元々ホラー畑の監督だからこういう演出をやるのかな。

ストーリー構成と敵ヴィランは凄く魅力的だった、一度は力から離れ等身大の一個人としての幸せと日常を追求しようとするも、再びヒーローとして生きる道を選ぶ過程の描き方がとても良かった。

ヒロインは相変わらずモヤモヤする。

編集長が結構良いキャラしてる。

 

スパイダーマン3

これ話の内容分けて2本でやるべきだろってくらい詰め込みまくった印象。

敵もハリー、ヴェノム、サンドマンと多すぎな印象。

親友であるハリーからは親の仇、恋のライバルとして敵視され、恋人のMJはスパイダーマンが民衆の脚光を浴びる中で役者として挫折する自身との対比に苦しみ、記憶を失いまっさらになったハリーとの急接近と恋の盛り上げ方は2よりもマシな印象だった。

バイトをしてる新聞社にはエディという新しいカメラマンが加わり、バイト先まで失いそうになる危機に。

これらの人間関係に加えてサンドマンが叔父を殺した真犯人である事が判明、いろいろな物事の行き詰まりがピーターの心の隙を狙い寄生する黒い物体に呑み込まれ、ブラック・スパイダーマンとなり増長していく。

この増長っぷりが死ぬほど面白く、街中で踊りながら肩で風切って歩いたり、オールブラックコーデのジャケットとシャツに着替えたり(でも実際の所お金は無いままだから全部セール品)

エディの偽写真を暴き会社から追い出した後にエディの元カノ・グウェンを連れてMJに当てつけするシーンはギャグすぎる。

敵としてハリーと黒い寄生生物とを軸にしながら、サンドマンを恨み、ハリーには父殺しとして恨まれる中での赦しを描こうとしたのだろうけど、ハリーはともかくサンドマンがかなり説得力に欠けてて厳しい、彼なりの事情は描きつつも「仕方なかった」から起こした強盗でピーターの叔父を殺してしまって、その事を後悔してたのに脱獄してまた強盗…ってあんまり物考えて無くないですか?という短慮さ見ててキツい。

「こんな事になるなんて思わなかった」と言ってたけど直前まで人質取って死ぬほどボッコボコに殴ってた癖に何言ってんだって感じで和解シーンも納得いかなかった。

良かれ悪かれ、見どころはいっぱいある映画。

あと、エディの撮った写真を使ってスパイダーマンを貶めるような記事を出した後にその写真が加工で、誤った記事を出した事が分かった時にエディを解雇して謝罪記事を出す辺り、編集長はスパイダーマンの事が嫌いでもジャーナリズムはちゃんとしてるんだなと感じた、マーベル版だとそれは失われてフェイクニュースの扇動者だったが。

 

・劇場版スタァライト <ハードコア>

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限界まで音圧を上げたLIVE ZOUND上映

物凄い音の奔流に圧倒されっぱなしで最高だった。

スーパースタァスペクタクルでジェットエンジンが点火して華恋の過去を焼き払うところで物凄い音圧を感じてまるで4DXみたいだった。

ビリビリと音が波のように体を通して伝わってきて、かと思えば息の詰まるような無音の静寂がくっきりと引き立つ。

もう、普通の家の視聴で満足なんてできません、なんて事してくれるんですか。

「なんだか強いお酒を飲んだみたい」も第一声からハッキリ聞き取れる。

 

スパイダーマンNWH

 

マーベル版スパイダーマン3作目

前作でフェイクニュースと共に世界中にスパイダーマンの正体が明かされ、その直後から始まる本作。

正体を隠したヒーローとしての葛藤など、匿名性を作品の魅力の要素として全面に押し出してきたスパイダーマンの前提がいきなり一気に崩され動揺した。

騒動の中でピーターもMJも、ネットも大学進学の道が断たれるなどしっかりキャンセルカルチャーに巻き込まれていくんだが、うまいのはキャンセルカルチャーを軸にするのではなく、あくまでその後のセカンドチャンスを主題にズラしていったこと。

キャンセルカルチャーに全力で踏み込むならマリリン・マンソンとダ・ベイビーを同時に1曲にブチ込むカニエ並みの踏み込みが必要だと思う、そしてこの曲のやり方自体は雑すぎて失敗してると思うが

正直社会問題の提起をするのはいいけどその解決策までを2時間の物語を通して今すぐ提示しろとは考えてないし。(今のカルチャーや政治的な物事全般に結論ありき、論破ありきでスパッと言い切っちゃう議論スタイル、140字以内に纏める空気感は良くないと思うし、そういうことは少しずつ考えていきたい。

問題自体が早いペースで更新されていき、その時々のポイントに対しても素早く答えを欲しがる風潮は危ないと思う。みんなで考えていこうよ)

ドクターストレンジによりマルチバースの扉が開かれ各シリーズからヴィランスパイダーマンが集結するお祭り映画で過去シリーズが取りこぼしていった後悔、過ちを救い上げる中でそれらは起きてしまった出来事なので覆しようが無い事も提示する重さがしっかり感じられて良かった。

落下するMJをアンドリュー・スパイダーマンが助けたシーンとかで、助けられた喜びの中で同時に、グウェンを助けられなかった悲しみに打ちひしがれるシーンとか1番良かった。

過去シリーズのように大人に翻弄されるティーンエイジャーの構図はMCUでもそうであった(1、2作目もスタークが原因で生まれたヴィランキャラクターだし)がシリーズ通して1番しんどい作品だったな…

とにかくスパイダーマンティーンに重い物を背負わせすぎ…

時代が変わってティーンはより様々な負債を大人から背負わされている訳で、MJの繰り返される「期待しなければ失望しない」というセリフはそんな社会を漠然と感じながら生きてる今の若い人の声だなと思う。

大人代表ドクターストレンジも割とフレンドリーファイア気味なのが笑う。