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イカゲーム

3話から最終話の9話まで一気に見た、ので、今日は本当に他のことは一切手をつけられていない。

 

流石に世界中でヒットしていて多くの人が話題に上げている面白さがあった、カイジのような複雑なゲーム性は一切なく、登場人物のバックボーンや属性に社会性を絡めたドラマに重きを置いた作りだった。

リストラ、移民、虐待児、脱北者キリスト教徒、様々なバックボーンや事情に韓国独自の社会的な背景を絡めながらのデスゲーム、子供の遊びを準えた単純なゲームだからこそ、誰かと組む時に力のある若い男と人は組みたがり、老人や女性は排除される。

このゲームで一番面白かったのは6話だ。2人1組を組んでくださいとのアナウンスにこれまでのエピソードで信頼関係を築いた者同士、あぶれてしまった者同士が組み、しかしそれはそれぞれの対戦相手を選んでくださいという意味だったことがゲームが始まってから知らされる、そんな中で脱北者の少女と、キリスト教徒の牧師の父の虐待に晒された少女が組み、お互いのことを制限時間30分内に語り合い、最後の3分間で1回きりの勝負をする、その瞬間の時間がとても切なくて良かった。

 

その後のカイジの鉄骨渡りを模した2枚の並行して直線に並ぶ透明なガラスのうちどちらかだけが助かる強化ガラスを連続して選びながらゴールを目指すゲームはあんまり面白くなかった。参加者の1人がガラス会社で勤務していて強化ガラスを見抜けると分かるや否や主催者側が消灯して見抜けなくするのは散々公平性を謳ってきたゲームを運営側から否定してません?

散々社会から不公平を迫られてきた人々がこのゲームだけは公正な勝負が出来るとか言ってたの意味なくないすか、そもそも常に選択肢を与えて貴方が自分の意思で選んだ事だと言っているが登場人物達に選択の余地などないだろうし、この辺はうーんってなったな。

 

韓国はキリスト教徒がとても多い国らしいが主人公の変遷もその辺りをなぞらえているのは明白で、ゲーム勝利の末に手に入れた大金に手をつけず汚い身なりに髪も髭も伸びっぱなしとまさに救世主そのものといった姿に身をやつし、ゲーム1年後の12月24日、呼び出されたビルの上で黒幕との戦いに勝利し誕生日を迎え、最後には赤毛であったユダのように髪を赤く染め短く切り揃え、娘に会いに行く約束と幸福を裏切り再び始まるゲームへと身を翻す。

明らかに続編ありきな終わり方をしたんだが監督はかなり消耗しきってるそうで、続くかは謎である、とても面白かったけど最後まで間抜けな善人として騙されて死んじゃったパキスタン移民のおっさんが可哀想すぎて許せねえよ…