4/22・23

映画 葛城事件

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親が始めた金物屋を引き継いだ清は、美しい妻・伸子(南果歩)との間に2人の息子も生まれ、念願のマイホームを建てた。思い描いた理想の家庭を作れたはずだった。しかし、清の思いの強さは、気づかぬうちに家族を抑圧的に支配するようになる。 長男・保(新井浩文)は、子供のころから従順でよくできた子供だったが、対人関係に悩み、会社からのリストラを誰にも言い出せずにいた。堪え性がなく、アルバイトも長続きしない次男・稔(若葉竜也)は、ことあるごとに清にそれを責められ、理不尽な思いを募らせている。清に言動を抑圧され、思考停止のまま過ごしていた妻の伸子は、ある日、清への不満が爆発してしまい、稔を連れて家出する。そして、迎えた家族の修羅場…。葛城家は一気に崩壊へと向かっていく。

 

いくつかの実在の凶悪事件をベースにした映画作品、家父長的、強権的な父により抑圧された家庭が崩壊し、長男は自殺、次男は無差別殺人事件により死刑が確定、妻は精神的な負荷により入院と一家が崩壊する様と、死刑廃止を訴える活動家の女性・順子と崩壊家族の接触を描いた映画。

全編に渡って「実際こうだろうな」という嫌なリアリティが漂い、長年家庭という箱庭が溜め続けた澱みが人に与える影響などが丁寧に描写されている。

父・清に逆らえない妻・伸子は家庭に束縛されアルバイトも許されない、外部との接触が絶たれ世間との関わりが薄い彼女のコミュニケーション能力の低さが顕になる長男の葬式での親戚との会話はオチを途中で話してるにも関わらず「どうなったと思う?」と饒舌な様子で質問したり、聞き手の(いやオチ言ってんじゃん……)みたいな反応がとにかく困っている様子で絵に描いたような地獄絵図トークで見てるこっちがしんどくなる。

気力を奪われ食事はレトルト、弁当が中心で一切料理をしない。

「男たるもの」という父・清の昭和的マッチョイズムを刷り込まれ、会社からリストラされた事を誰にも言えず一人で抱え込み、遂には自殺に至る長男。

次男はバイトが長続きせずニート、自意識をひたすらに拗らせ、父を親から金物屋を引き継いだだけで何もしていないと軽蔑し、父はそんな次男に対しても「情けない奴だ」とコンプレックスを刺激し続ける。

家庭崩壊後→その過程→そしてまた崩壊後に戻ってくる構成で父・清の態度は全くといっていいほど変わっていない、家族がこうなった事に自分が原因だとは少しも考えていない事がよく分かる、この家庭に関わってくる人権活動家の女性・順子も怖い、彼女は間違いなく善人なのだが「可哀想な弱者を救ってあげられる」という見下した、ある種の傲慢さが垣間見える。

 

家父長制はやっぱダメだな!という気持ちにさせられる映画だった。人に勧められて見たけど、本当になんでこんなのを勧めるんだ、ヤバいな。

 

ブルアカ

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お嬢様学校でヤンキーみたいな事してる公式激推しカプ好きすぎる、退学の危機を乗り切ってすぐになんでこんな事してんだ…?